2020年の逆打ちに際して、2016年逆打ちの年におこなった
インタビュー記事を再掲載いたします。

四国八十八ヵ所霊場会公認先達、四国おへんろ.net専任担当 船本達也の四国おへんろ対談

四国遍路日本遺産認定記念事業担当者/四国霊場八十六番札所・志度寺副住職/十河 瑞澄さん

うるう年の今年を、四国遍路を始める大きなきっかけに。

船本 本日はお遍路について、お話をお聞きできるのを楽しみにしておりました。さっそくお話をお伺いしてもよろしいですか?

十河 はい、何なりと。

船本 今年(2016年)は、閏年(うるう年)ということで、逆打ちの年といわれていますが、そもそも閏年に逆打ちをする理由はどういうものなのでしょうか。

十河 昔から、閏年には八十八番から逆に回るという慣習はあるのですが、それは決まりごとというより、閏年に逆打ちをしたことでお大師様に会えたという故事に由来するものです。その故事にあやかり、お大師様に会いたいと願う人たちが、逆打ちをはじめ、それが広がっていったのではないかと思いますね。

船本 それは、どのような故事ですか?

十河 古い言い伝えなのですが、昔、衛門三郎という者がいました。ご存じですか?

船本 衛門三郎というと、四国遍路の祖ともいわれる方ですね。

十河 そうです。お遍路のはじまりともいわれる故事で、もともとお大師様にお会いになる前の衛門三郎は強欲で非道だったといわれています。

船本 強欲で非道。自分はそうでないとは思いつつも、ハッとさせられる言葉ですね。

十河 そう思える人は健全ですよ。 さまざまなところで名前をきくであろう衛門三郎の故事ですが、逆打ちについても、その衛門三郎の故事に由来するのです。 ご存じのとおり、衛門三郎は、托鉢にきた僧、実は弘法大師様なのですが、その僧をひどい方法で追い払ってしまいます。その後、子どもを次々と亡くし、あの時追い払ったのがお大師様であったことに気づきます。衛門三郎は、自分のしたことへの後悔と懺悔の念からお大師様を追いかけて四国をお参りするのですが、なかなか会うことができない。どんなに進んでも会えないので、立ち止まって考えておりました。そして、後ろをふと振り返ると、お大師様がそこに立ってらっしゃったのです。

船本 確か、前を歩かれているはずのお大師様に追いつこうとして四国を何度もまわったのですよね。

十河 そうです。後ろを振り返り、衛門三郎は気づきます。お大師様は自分の前を歩いておられたのではなく、いつも自分のことを後ろから見守ってくださっていたのだということに。それが閏年のできごとであったといわれます。そうした故事が、閏年に逆打ちでお参りすればお大師様にお会いできるという言い伝えにつながっていったのです。

船本 ということは、絶対に逆打ちでなければならない、という決まりがあるわけではなく、逆打ちすると、お大師様に会えるかもしれないという思いから、逆打ちという慣習が生まれたということでしょうか。

十河 はい、そうなんです。昔からもちろん閏年に逆打ちをされるお遍路さんはいらっしゃいましたが、圧倒的に逆打ちされる方の数が増えたと感じたのは、前々回、8年前でしょうか。4年前は8年前以上でしたので、閏年になるとかなり多くの方が逆打ちをされているといえますね。
志度寺は八十六番札所なので、例年秋にお参りされる方が多いのですが、閏年の今年は、年が明けてすぐに来て下さる方が多く、閏年=逆打ちということが深く浸透していると実感しています。

船本 はい、お問い合わせでも、やはり今年回っておきたいというお声は多くいただいております。閏年は4年に一度しかありませんから。

十河 故事から生まれた慣習をきっかけにお遍路を始めようと思っていただけるのは、嬉しいことですね。

記念散華の授与で、今年はさらにお遍路に魅力が。

船本 お遍路のきっかけといえば、四国八十八ヵ所霊場会でも、今年は特別な授与品があるとお聞きしました。

十河 ええ、四国遍路が日本遺産に認定されたことを記念して、今年(2016年)1月1日から2016年12月31日までの期間限定で、四国八十八か所の各お寺にて、記念散華を授与しております。

船本 色とりどりの美しい散華ですね。散華について、教えていただけますか?

十河 散華とは、蓮の花びらを模った色紙のことです。昔から、仏や菩薩をを迎える際には、歓迎と讃嘆の気持ちを表すために、華を降らしたということが言い伝えられています。華の芳香によって悪い鬼神などを退却させ、道場を清めて仏を迎える、という思いから生まれたもので、はるか昔は生花を使っていたようですが、いつの時代からか色紙になりました。

船本 一つひとつの散華に、それぞれのお寺の名前と梵字が入っているのですね。散華というものがそもそもたいへん有難いうえ、さらに期間限定の散華となるとさらに貴重でご利益を感じます。

十河 それぞれの散華を見て楽しんでいただけるように心がけてつくったのですよ。各お寺で色を違えたのもそのためです。

船本 これを、納経の際に授与していただけるということですか?

十河 はい、納経していただいた方に各お寺において授与させていただいております。最初から花びらの形にしておくと途中で紛失されてはいけませんので、花びらの形になるように切り込みを入れた四角いカード型にてお配りしているんですよ。それを切り取っていただいて、別途販売させていただいている台紙に貼っていただくと、ほら、このように大輪の華が完成いたします。

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