お遍路の基本

お遍路から学ぶ、人としてのあり方

お遍路を知ることは、そのまま人としてどうあるべきかを学ぶことと通じているのではないでしょうか。 お遍路を巡るにあたっての心構えとして「十善戒(じゅうぜんかい)」というものがあります。古くから仏教で説かれて来た教えですが、弘法大師は「諸戒は十善を本にす」と説いています。

十善戒について

1. 不殺生(ふせっしょう)
生きているもの、すべての命を大切にする。
2. 不偸盗(ふちゅうとう)
物を盗まず、他人のものも大事に扱う。
3. 不邪婬(ふじゃいん)
性は尊いものであり、節度を持って性を考える。
4. 不妄語(ふもうご)
うそ、偽りはいわず、真実を話すことに心がける。
5. 不綺語(ふきご)
虚飾のことばは話さず、飾らない本当のことばで話す。
6. 不悪口(ふあっく)
悪口をいわず、相手を思いやる言葉で話をする。
7. 不両舌(ふりょうぜつ)
どの人に対しても、二枚舌を使わず、温かな気持ちで話す。
8. 不慳貪(ふけんどん)
強欲を貼り、むさぼることなく、感謝の気持ちで過ごす。
9. 不瞋恚(ふしんに)
怒りをおさえ、心を落ち着けて、優しい気分で過ごす。
10. 不邪見(ふじゃけん)
よこしまな間違った考えを捨て、どの人にも平穏な気分で接する。

これらの十の項目の「不」の後に続く二文字のことをしないことを心がけるのが「十善」といいます。ちなみに、この「不」の文字を取ったものを「十悪」といいます。

身口意について

上の十善の項目を、人の行為から「身口意(しんくい)」3種類に分けられます。

身(しん)
身体の行い
不殺生不偸盗不邪婬
口(く)
言葉の行い
不妄語不綺語不悪口不両舌
意(い)
心の行い
不慳貪不瞋恚不邪見

身口意(身体の行い/言葉の行い/心の行い)が一致すると、すべてのことが達成できるといわれます。

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