安心・安全に配慮したお遍路の旅 四国八十八ヶ所巡拝・紀行文

腰痛と足痛を抱えながらも結願出来たお遍路の旅

四国八十八ケ所お遍路の旅

八巻 剛正 様

私は、七十歳代までは、ほとんど体調に問題なかったが(高血糖値を除き)80 歳の誕生日を迎えた昨年1月に突然腰と足に強い痛みが生じました。整形外科医の診断結果は、軽度の脊椎間狭窄症とのことであり、治癒するためには、ウオーキング等足腰を動かすことを止めて家でゆっくり休むことが必要だと言い渡されました。

そんな中で森さんから四国お遍路のお誘いがありました。

私の足腰の痛みは少しずつ快方に向かっており、更に数年前に妻と車で四国一周のドライブに出かけたおり宇和島まで行ったところで台風が四国沖に接近したことから、足摺・室戸行きを断念した経緯がありました。そのため、旅行とお遍路は異なるものの是非行ってみたいと私は参加を即断しました。ところが出発数日前になり再び足の痛みがひどくなり参加を断念しなければとも思いました。しかし、同行する3人から「4人だけのお遍路でありあなたのペースに併せてみんなが行動できるようバックアップするから安心して」との温かい言葉をかけてもらい、ようやくお遍路の旅に出発することを決断しました。

半ば旅行気分で徳島空港に到着した私ですが、一番札所霊山寺門前のお店で事前に予約しておいた巡拝装束に着替えた途端にこれからお遍路に出発するのだと気持ちが切り替わりました。道中を同行していただくドライバを兼ねた先達から参拝方法やマナー等の指導を受け 12 日間のお遍路の旅がスタートしました。

巡拝する 88 ヵ所のお寺の境内にはご本尊を祀る本堂と弘法大師を祀る大師堂があり、それぞれに線香・灯明をあげ、お賽銭・納札を納めて般若心経などを唱えることの繰り返しになります。

第一日目は、早朝に自宅を出て空路徳島へ、そして旅支度を整えて巡拝に出発し第1番霊山寺から第7番十楽寺まで一気に回り、宿舎である十楽寺の宿坊にたどり着いた時には本当に疲れました。無我夢中の一日でこの後の 11 日間が思いやられましたが、翌早朝本堂で住職の朝のお勤めに参加させていただき、住職の本物の(?)般若心経が心に響きました。

第二日目からは般若心経のお陰か足の痛みもさほどではなく、少し余裕が出てきて寺の佇まいや自動車から見える風景などを眺め、またそれを撮影することができました。

私の甲府市にある菩提寺は臨済宗妙心寺派のお寺ですので、法事等では住職と一緒に必ず般若心経を唱えますので般若心経にはとても親近感があります。四国八十八ヵ所のお寺の大多数は真言宗ですが、臨済宗のお寺も11番藤井寺と33番雪渓寺の2寺あり、ご本尊は私の菩提寺と同じ薬師如来であり般若心経を唱えるときは特に力が入りました。

75番札所善通寺(弘法大師生誕の寺)にて

私は、旅行するときは徒歩・自動車・列車・飛行機にかかわらず必ず地図を片手に風景と対比することに大きな喜びを感じています。今回も旅行案内所や宿泊したホテルで四国4県の地図を入手して沿線の風景を思い切り楽しみました。更に、四国各県の地図には必ず八十八ヵ所のお寺を記載していることは新たな発見でした。

また、私は今回の旅に一眼レフ・小型カメラ・スマホと3台の撮影機材を持参し、巡拝風景や寺及び沿線風景の撮影はカメラを切り替えて撮影してきました。私は同行した3人の中では信仰心が最も薄いと思っておりますが、このお遍路の旅で 私なりに多くのことが見いだせればこれに勝る喜びはないと考えておりました。

一方、乗り物大好きの私は今回の旅で運転本数の少ない四国の鉄道車両を撮影したいと車中で鉄道線路を探していましたが、ありました。日本で唯 一実用化しているDMV(線路上では列車に、道路上ではバスに変身する車両)を道路上と線路上を走る姿を見ることが出来、そして間近でそれを撮影することができました。また、JR四国では漫画家のやなせたかしさんにちなんだアンパンマン列車が運行されていますが、私は幸いにも車窓越しに見ることができました。

最初の間は長い・きついと思っていたお遍路の旅でしたが、愛媛県に入るころから心に多少の余裕が生まれ、この旅の良さが理解できるようになりました。第 88 番大窪寺での結願、高野山奥の院への結願のご報告とお礼の参拝を終え、今回のお遍路の旅に参加し結願できて本当に良かったとの思いがこみあがってきました。

88番札所大窪寺で結願

今回の四国お遍路の旅には最後の最後に大きな喜びが待っていました。それは伊丹からの帰りの空路で通路側の座席がリザーブされていたのを、夕方の富士山を撮影したいと思い空港で窓側の席に交換してもらいました。その結果、房総半島上空では富士山をバックに金色に輝く東京湾と房総半島の水田の風景は息をのむものでした。これはまさに空海さんのおかげと思っています。更に都内上空は昨年から開設された都心上空の進入ルートを飛行したことから高度 1000~400メートルからの都心風景を見事に撮影することが出来ました。

今回の四国お遍路の旅を無事に終え素晴らしい経験が出来たことを幸せに思います。

特に、同行した森さん、渡邉さん、高橋さんそれに先達の児玉さんには大変お世話になりました。おかげで無事に結願出来ましたことを心から感謝いたします。

一覧へ

お遍路巡拝・巡礼プランを見る

先達ドライバーとタクシーで巡る 四国八十八ヶ所霊場・別格二十霊場 ツアープラン

ツアー出発日一覧から申し込む

お客様と創るオリジナル巡拝 オーダーメイドプラン

お客様とあなぶきトラベルで作るオリジナル巡礼プラン。専任先達でもある選任担当者がご要望に沿ったプランをご提案してまいります。

オーダーメイドプラン 詳しくはこちら