ハチハチ編集部

四国八十八カ所のお遍路あれこれ、情報発信します!

オススメ本のご紹介「生きて死ぬ智慧〜心訳〜般若心経」

2018.8.31

    こんにちは!ハチハチ編集部の乙ママです。

     

    お盆を過ぎてもまだまだ残暑厳しいですが、皆様お元気でしょうか。
    さて、お盆といえばお墓まいり、そしてお寺さん。
    お坊さんと一緒にお経を唱えた方もいらしたかと思います。

    数あるお経の中でも、最もポピュラーなものの1つと言える般若心経。
    お遍路の巡拝でお唱えするお経としても一番ベーシックです。

    この般若心経ですが、何について書かれているかご存知でしょうか?
    般若心経の文面だけをなぞってもなかなか分からないですよね…。

    この般若心経を現代語訳している方々がたくさんいらっしゃいます。
    ネット上でも検索するといろんな方の現代語訳が見つけられます。
    数年前にラップ調の現代語訳がカッコいい!と話題になったこともありました。

    今回は、そんな数ある現代語訳本の中で、
    私が特にオススメしたい1冊を紹介したいと思います。

     

    「生きて死ぬ智慧」という、柳澤桂子さんという方の書かれた本です。

     

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    「生きて死ぬ智慧 心訳 般若心経」柳澤桂子/著 堀文子/画

    実はこの本は、私がまだお遍路や仏教について携わるよりずっと前、
    かつ興味もさほどなかった頃に手に入れて、感銘を受けた本です。

     

     

    この本は今から14〜5年ほど前に発売されました。
    私は発売当初に購入したのですが、実は本屋さんで手にした時、
    この本が「般若心経」を書いたものだとは知りませんでした。
    パラパラとめくった時に目に入る言葉や絵の印象が素晴らしく、
    即決で買うことを決めました。

    で、後から家でじっくり読んだ時に、

    「あ、これ般若心経か!」
    と気がついた次第です笑

    つまり、般若心経に特に興味のなかった私が思わず買ってしまった本です。

    改めて般若心経の現代語訳、として読んでも、大変素晴らしいもので、
    またそこに添えられる堀文子さんの絵もとても美しく、
    本のローテーションの激しい私ですが、この本は古本屋に売らず大事に持っています。

     

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    大元となっているのは「大般若」という、600巻もある最長の仏教経典です。
    それを中国の僧・玄奘三蔵(三蔵法師の名前で知られるお坊さんです)が
    300文字足らずに凝縮したものが般若心経です。

    正式には「般若波羅蜜多心経」といいます。

     

    著者の柳澤桂子さんのご職業は生命科学者です。
    (他にもライター、エッセイスト、歌人という顔をお持ちです)

    世界的な業績を残すほどの優秀な科学者である一方、
    30数年に渡る闘病生活を強いられた方でもあります。
    ご自身の経験を通じて人生の意味を模索する中で般若心経と出会い、
    柳澤さんの体得したものを「心訳」として書かれたのが本書となります。

     

    どのような「心訳」なのかは実際にお読みいただければと思いますが、
    あとがきで柳澤さんがこのように書かれています。

    「あなたもありません。私もありません。
    けれどもそれはそこに存在するのです。
    物も原子の濃淡でしかありませんから、それにとらわれることもありません。
    一元的な世界こそが真理で、私たちは錯覚を起こしているのです」

    この本のコンセプトが、この一文に集約されているように私は思います。
    般若心経の「空」という概念を「原子の濃淡」と置き換えた訳です。

    仏教をはじめとした多くの宗教では、「一元的」世界の真理について説いています。
    (一方、「私」と「誰か」といった、私たちが当たり前のように
    境界線で区切っている世界は「二元的」世界です)

    「空」という一元的世界を体現すること、それが仏の智慧の完成である、
    (恐ろしく大雑把ですが)そのようなことが「般若心経」にはあるわけですが、
    それを、「原子」「粒子」「宇宙」という言葉に置き換えることにより、
    現代の私たちに理解しやすくなっていると思います。
    ※般若心経の解釈についてはあくまで私個人の見解です。

    科学者らしい視点であり、また苦しみの中生き抜いてこられた柳澤さんだからこその
    この「心訳」なのだろうと、私は思っています。

    そのようなことから、例えば初めてこの本を読んだ時の私のように、
    特に仏教に興味のなかった人間にもすんなりと心に入ってきたのかなと考えます。

    もちろん、この本の解釈は「柳澤さんというフィルター」を通したものであり、
    「般若心経の教科書」たりうるかというと、ちょっとばかり違うかもしれません。

    だけど、おそらく般若心経によって救われたであろう柳澤さんの言葉で以って
    般若心経の世界観に触れることによって、
    その奥深さを垣間見る1つの機会となり得るんじゃないかと、私は思います。

     

    名書と言える本の1つとだ思いますので、
    ぜひお手にとってご覧いただくことをお勧めします。

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