四国お遍路の際に一つオススメしたいと思うのが、四国お遍路の本を読んでおくこと。1200年の歴史がある四国八十八箇所遍路、現在に至るまでたくさんの著名な方がお遍路へ赴き、著書として残してくれています。
ハチハチ編集部から、コレいいな!と思う本を紹介していこうと思います。
本の紹介の初回ではありますが、いきなり変化球かもしれません。
ちょっとばかり風変わりで面白かった1冊を紹介させていただきます。
種田山頭火という俳人をご存知でしょうか。
5・7・5調に囚われない「自由律俳句」の名作をたくさん作ってます。
「分け入っても分け入っても青い山」という句は大変有名です。
その山頭火の著書に「四国遍路日記」というものがあります。
徳島から出発して、高知、そして松山で、終の住処となる家(一草庵)を見つけるまで。この道すがらで山頭火が記した日記です。
徳島から出発してからしばらくのくだりは、とにかく酒が大好きだった山頭火がお酒を楽しむくだりや人々との出会い、道中の風景、そして俳句を綴っていきます。
ところが後半あたりから、1〜2文で終わっていたり、退廃的な雰囲気を醸していたり、よくわからないけれど、山頭火の心情だけがひしひしと伝わる、そんな文章へと。
正直、生生しいな、という感想です。と言いますか、これ本当に日記ですよね…。
山頭火の着飾らず、衒わず、素直な心情そのままを垣間見ることができる、そんな本です。
そして、この本をお勧めする大きな理由が、俳句の素晴らしさです。
山頭火の際立つ才能と溢れる感性を感じます。
また、該当する場所へ赴いた時に、その句の素晴らしさを一層感じることができるかと思われます。
いわゆる紀行本とはかなりかけ離れた内容ではありますが、ぜひご一読されることをお勧めいたします。
お遍路に興味がある方は、ぜひ「四国おへんろ.net」へどうぞ!